4日(金)~6日(日)白馬岳~唐松岳

■メンバー:K田(L)、M山、B東、H岡、S能(記)
■コースタイム:
(1日目)  6:23 猿倉登山口  8:20 大雪渓  12:04 白馬山荘  
12:32 白馬岳  15:21 白馬鑓ヶ岳  16:25 天狗山荘
(2日目) 5:08 天狗山荘  5:30 天狗の頭  8:18 不帰嶮  
9:26 唐松岳  12:04 八方池  13:10 リフト乗り場  13:30 八方尾根スキー場

《真夏の大雪渓、憧れの白馬岳》
8月4日22時、新座集合、K田Lの運転で白馬村を目指す。夜の高速道路は快調で思った以上に早く八方に到着。
M山さんが皆にビールを振舞ってくれて乾杯。軽食で済ませ車中泊とする。K田Lは地面でカウボーイスタイル、私はベンチで就寝。
猛暑熱帯夜の東京からは考えられないほど涼しい、というか寒い。
翌朝、5時起床、バス始発で猿倉に向かう予定も、タクシーに声をかけられ、5人だとバスより安く、始発前に着けるので乗車、移動、猿倉山荘着。
身支度を整える。今回テント泊なのだが私は小屋泊と勘違いしており寝具がない。
K田Lがシュラフカバーを貸してくれるとのことで、防寒着とそれで凌ぐことに。
小屋に空きがあることを祈りつつ入山。
しばらくは気持ちの良い樹林帯、キラキラと輝く朝日を浴びながら進む。
さすが人気の山、好天にも恵まれ早朝からかなりの人出。
一時間かからず白馬尻小屋に到着。チェーンスパイクを装着して大雪渓に取り付く。
谷筋を埋め尽くす大河のような急傾斜の雪渓、遥か上方、見えないくらいどこまでも続いている。
想像していた以上に規模が大きい。それでも昔よりかなり縮小したらしい。雪の冷気を含んだ風が山上より吹き抜けていく。
樹林帯で吹き出た汗が一気に冷やされ寒い。
二時間半ほどで大雪渓を登り詰め、岩室跡に到達、装備解除。
稜線までの最後の急登はなかなかにキツく、稜線に聳り立つ岩峰、一面に咲き乱れるお花畑を横目に再び汗が噴き出す。
そして、白馬山荘へ。
物凄い大規模で瀟洒な小屋に驚く。聞いてはいたが日本一の小屋は想像以上の立派なものだった。
休まず山頂へ。この辺りからガスが湧いてしまい、見渡す限りの絶景、とはいかないが北アルプス特有の雰囲気を楽しみながら、憧れの白馬岳に登頂。感慨深い。
が、先は長いので稜線の縦走を開始。程なく雨が降り出す、朝の好天が嘘のように。
レインウェアを着込み黙々と歩く。三千メートル級の雨はキツイが、山並みが綾なす圧巻の光景やコマクサの花が励みになる。
荒天に杓子岳は巻くことに。最後の鑓ヶ岳への登り返しが絶望的なほどの威容で行く手に立ち塞がる。
皆無言で最後の力を振り絞る。なんとか突破。あとは小屋へ降るだけ。
小屋に着く頃には晴れ間さえ覗き始め、越えてきた白馬三山、麓の白馬村なども眺め渡せた。絶景。
テント設営、私は幸運にも小屋に空きがあり転がり込む。
鑓ヶ岳のアーベンロートを眺めながら小屋前のテーブルで宴会開始。
K田Lが手際よく繰り出す絶品のツマミに生ビールを奮発して乾杯。
程なくまた雨が降り出し、談話室で二次会、和牛のすき焼きに舌鼓を打ち、H岡さんの振る舞いで黒霧島EXで山の話に花が咲く。
明日もハードなので早めに就寝。

《恐怖、不帰の嶮と絶景の北ア》
二日目、5時に行動開始。
雲海からのご来光、モルゲンロートの剱岳、毛勝三山の絶景を拝みつつ天狗の頭を通過し、天狗の大降りへ。
遥か穂高連峰や槍ヶ岳も見える。
早速鎖場が出現し、急峻な厳しい岩場のクライムダウンに目も覚める。
コルへ降り立ち、いよいよ不帰の嶮に突入。先ずはⅠ峰、ガスを纏い斜めに傾いだ異様な岩鋒、ここを登るのか!?
と焦るが、取り付くと斜めに登りやすい道がつき、思ったほど難路ではない。坂東さんがシンガリを務め皆を見守るので安心だ。
問題のⅡ峰、物凄い角度で天に突き立つ双二の尖峰、ここが核心。
垂直に近いクラックを直登し、切れ落ちた絶壁を鎖を頼りに斜め横にトラバース、再び垂壁を直登、
空中ハシゴ橋で手に汗握り、数多の鎖やハシゴを通過し、やっと北峰に上がる。
あとは細い稜線を歩き南峰に到達、ここの降りで雷鳥に遭遇!Ⅲ峰は緩やかな巻き道で通過し、唐松岳への登り返しもさほどキツくない。
唐松岳に登頂、再び晴れて北アの絶景が360度見晴らせる。言葉にできない光景を眺めながら昼食。
唐松山荘で休憩や買い物。あとは八方尾根を降る。これがまた長い。二日間の疲労の蓄積もある。
途中、扇雪渓で汗だくのK田Lが雪上に大の字でクールダウン、注目の的(笑)。
八方池を見学し、最後はリフトとゴンドラで下山。K田Lはリフト区間も歩く、20kgオーバーの重装備で。
八方温泉で汗を流し、盛り沢山の山行も終了。印象深い想い出に残る山旅となった。