24日(木)夜発〜27日(日) 北アルプス 前穂高岳〜奥穂高岳〜北穂高岳〜大キレット

メンバー:K田(リーダー)、B東、S能、M山(記)
コースタイム:(8/25)上高地5:32~7:29岳沢小屋~10:05紀美子平~10:35前穂高岳~
     11:15紀美子平~12:51奥穂高岳~13:40穂高岳山荘
     (8/26)穂高岳山荘6:09~6:26涸沢岳~7:49奥壁バンド~8:39北穂高岳~
     8:49北穂高小屋~9:28滝谷展望台~9:49飛騨泣き~10:35長谷川ピーク〜11:01最低鞍部~12:09南岳小屋
     (8/27)南岳小屋5:02~5:13南岳~6:26天狗池~7:29槍沢大曲り~8:13横尾~10:14明神~11:50上高地

昨年は予習のために見たYouTubeでビビってしまい直前にドタキャンした大キレット。今年はあえて山
と高原地図を見るだけにとどめ、万全の態勢で臨み、8月1周目の不帰キレット、3周目の八峰キレット
に続き4周目はキレット三部作のラスボス!大キレットに挑戦してきました。

★1日目 岳沢〜前穂〜奥穂(穂高岳山荘泊) 憧れの前穂へ!★
久しぶりの上高地、河童橋の奥には青空の中に穂高がくっきり。一同テンション爆上がりです。
K田さんがバブルの頃泊まったという高級そうなホテルの前を通り、梓川に枯れ木がまっすぐ立ち並ぶ上
高地っぽいステキな風景を見ながら、岳沢小屋への登山道を行きます。
とても整備された樹林帯の登山道で、時々視界が開けて絶好のお天気のなか西穂、ジャン、奥穂が青空に映えて美しくそのたびに皆で感嘆の声を上げます。
岳沢小屋には生ビールと新設された2人乗りのブランコがあり、熟年カップ
ルが仲睦まじく記念撮影をしていました。岳沢小屋から先の重太郎新道は一転して道が一気に険しく
なり、梯子や鎖場ありの大きな岩の急登をよじ登ります。快晴のなかどんどん穂高が目の前に迫ってきます。
紀美子平の手前でULザックのメッシュ部分にたくさんのスナック菓子をこれでもかとディスプレイした方とご挨拶。
TJARの片野大輔選手という有名な方のよう。マッチョなボディにスナック菓子、まさにギャップ萌。
程なくして紀美子平に到着、ザックをデポして前穂へ行きます。
ガレた急登を上り30分ほどで山頂へ到着。ついさっきまでは奥穂高岳がくっきり見えていたそうですが真っ白で何も見えず。
先が長いので下山開始、あと少しで紀美子平というところで前を行くツアー客の1人が数メートル滑落。
ヘルメットがべっこり凹んでいましたが大事には至らなかったようでよかったです。
その日は西穂やジャン方面で救助ヘリが何度もホバリングしていました。山は危険と隣り合わせ、気を引き締めて行こうと思いました。
奥穂へ続く吊り尾根はトラバースするように登山道が続き、幅50センチほどの登山道から外れるとキレ落ちています。
高度感に美しさと怖さを感じながら慎重に通り過ぎます。
徐々に雲が流れ奥穂が姿を表しました。
大きく迫力があります。奥穂まではまた急な岩場をよじ登り返し山頂に到着。
しかし快晴だった空が案の定真っ白に。元気なキッズに山が好き酒が好きTシャツをいじられ、いっそうビールへ
の思いが馳せた私達は早々と穂高岳山荘へ向かいましたが、山荘手前の梯子や急坂は高度感がありかなり怖い、慎重を要しました。
K田Lの山行では珍しく今回はすべて小屋泊、今日の宿は穂高岳山荘です。
受付の方が美人&親切!100周年記念バッジをもらい、男性陣はもっと話したいとにっこにこ。
使い捨てシーツ、枕カバーが無料、燃やせるゴミ用のゴミ箱があったりとホスピタリティに溢れ、
外国の方も沢山宿泊されスタッフが英語で話しかけ談笑する様子などとても感じが良く快適な小屋でした。
小屋前のテラスで宴会開始、ザイテングラートや涸沢を見下ろしながらK田さんのオリジナル料理
チキンのカレーチーズ風に舌鼓、めちゃうまでビールに合う〜。
いよいよ明日は大キレット、その前に奥穂から涸沢槍を越えて北穂への稜線が手強い。明日に備えて早々と就寝しました。

★2日目 涸沢岳北穂〜大キレット〜南岳(南岳小屋泊)ドキドキの大キレット!★
穂高岳山荘は寝心地がよく皆ぐっすり。朝を迎えご来光を拝んで6時に出発しました。今日は1日中気が抜けません。
噂では大キレットよりも怖いとされる涸沢岳から北穂、核心部の大キレット、南岳へ
の登り返しは鎖場や梯子も多く常に緊張の連続です。
まずは涸沢岳まで登り、そこからはザレている急な岩場を一気に下っていきます。
天気は晴天、景色は素晴らしく美しい、と同時にキレッ切れの足元が丸見えです。
ザレているので滑りやすく、滑ったら滑落する、石を落とせば怪我じゃすまないかもしれない。
下りは前にK田さん、登りは後ろにB東さん、S能さんがいます。緊張が走りました。
いかに滑らずに砂や石を落とさず静かに歩くかを1歩1歩意識しながら歩きました。
涸沢岳からの下り、ザレた険しい急坂の緊張する場面で後ろを行くおじさんたちのパーティが落石を起こしました。
ラーク!ちょうど下にいたK田さんと私。K田さんの伏せろ!の言葉に必死で身をかがめます。しかし岩は岩にぶつかり
跳ねてどこに落ちてくるかわからない状況です。幸いかすりもせずに済みましたが、足場の悪い岩場で
自由に動けないなか身を守るのはなかなか厳しいなと感じました。北穂小屋で気持ちをリセット。
ここから先は未知の世界です。大キレットに向かう岩の急坂を下っていきます。ずっとずっと降りていきます。どこまで降りるんだろう。
3点支持を守り、滑落しないようバランスを取って、石を落とさないように梯子や鎖を使いながら慎重に下ります。
飛騨泣きはちょっと怖くて涙がちょちょぎれましたが、有名な長谷川ピークは登る前は巨大なナイフリッジ感が半端なく
乘越すと聞いてビビっていましたが、登ってみると広くて座れるし思ったほど恐怖感はありませんでした。
長谷川ピークを過ぎると核心部は終わり平和な稜線が続き最低鞍部を過ぎて、最後の南岳への登り返しの鎖場
や長い梯子を行きます。
ただただ生ビールの喉ごしを思い浮かべながら。ガレた急登を登りきり南岳小
屋に到着。生ビールはありませんでしたが、冷えっ冷えの缶ビールで乾杯!K田さんの手料理ニンニ
クたっぷり魚肉ソーセージ炒めに癒やされながら健闘を称え合いました。B東さんの注文したキーマカレーは
スパイシーな香りがとても美味しそうでした。明日に備えて早々と就寝。

★3日目 天狗原〜槍沢〜横尾〜徳沢〜明神〜上高地 横尾から先が長い!★
南岳でご来光を拝み、稜線の先には朝陽を浴びた槍ヶ岳を見ながら進みます。
素敵すぎる景色、なんという絶景なのでしょう。
お名残惜しいけれどここから天狗原に向かって梯子や鎖場のある急な岩場をぐんぐん下っていきます。
あんなにお天気が良かったのに天狗池に着く頃には真っ白で期待していた逆さ槍を見ることはできませんでした。
そこから先は競歩のようにずんずん歩いてただひたすら上高地を目指しました。
ソフトクリームを横尾で食べるのか、はたまた徳沢かと迷いましたがゴール直後の上高地でのそれは最高に美味しかったです。

大キレットはよく見ると足場はあるし鎖もしっかりしていてYouTubeで見るほど怖くはない気がしまし
た。それよりも涸沢岳から北穂高岳の方の間の方が怖かったかもしれません。ひと月の間に3大キレッ
トを制覇するというK田さんの壮大な計画でしたが、今回も3日間を通してお天気に恵まれ最高の山旅になりました。
いつもながらK田さん、ご一緒してくださったB東さん、S能さんとても心強かったです。
本当にありがとうございました。